1055,海馬
Justice does not always prevail.
人間の脳に、「海馬」と呼ばれる器官があるらしい。その役割は、見聞きした情報を
整理区分けするとのこと。永久保存なのか、ごみ箱行きなのか決めるらしい。
僕の場合だと小学校3年生からの記憶が断片として残っている。「海馬」に選択され
67年間も、脳の片隅に保存されている。人生、長く生きていると悲しいこと、辛いこと、
楽しいこと等、いろいろあると思うのだが。「海馬」によって消された出来事もあったと
思う。思い出にもパターンがいろいろある。輪郭がはっきりしているもの。陽炎の
ように輪郭が定まらないもの。出来事としてあったのか、なかったのか分からない。しいて
言えば幻に近いもの。3つのパターンに分けられる。辛い思い出の場合、記憶から消したいのか
幻に近いものになっている。この作業のおかげで、精神的安定が保たれているのだろう。
一方、国、国家も、過去の記憶が薄らいでいくのだろう。戦後80年が経過した。
威勢のいい政治家が、支持を集める世の中になっているようだ。変な方向に行かないことを
祈る。「国・国家・人々」を守るというフレーズを使われると、誰も異を唱えることを
躊躇する。80年前、経験した辛い思い出等が希薄化されているようだ。歴史は繰り返すと
言われるが、確かにそんな感じがする。